今日は陰陽についてお話をしましょう。
陰陽って聞くと、なんだか怪しげな雰囲気が伝わってくるかもしれませんけどね。
陰陽師?変な呪い?怪しいとは思ってたけど、やっぱり松田さんは怪しかった。
なんて声が聞こえてきそう。
こんなに石橋を叩いて叩いて、補強して渡る人間もいないですよ。
それはさておいて、陰陽とは決して怪しい呪いなどではありません。
陰陽とは、現世のバランスを端的に表した、とても分かりやすい指標です。
極めればかなり深いんですけど、今日はその触りのお話をしますね。
陰陽、陰と陽。
世の中は陰(マイナス)と陽(プラス)のバランスの元に成り立っているってことです。
この考え方は、古代の中国から伝わったものです。
科学技術や知識に乏しい古代において、自然の流れを読み解くことは、重要な要素だったんですよね。
特に国を運営していく上では、とても重要だったわけです。
農業が上手くいかなかったり、税収が上手くあがらなかったり。
そんなことでは国は破綻します。
陰陽師や易者は、いわば自然の流れを読み解くエキスパート。
折々で起こる問題に対して、どう対処していくべきかを助言する人たちです。
彼らが公務員的扱いだった時代があったってことも、頷ける話ですよね。
例えば日照りが続いて、作物が枯れてしまうって状況が続いたとします。
陰陽では日(太陽)を陽と捉えています。
日照りが続くってことは、陽の気が陰の気より強すぎるってことです。
陽の気が強すぎて、陰陽のバランスが取れていない。
そんな時はどうするかと言うと、陰の気を強くするか、陽の気を鎮めるか、ですよね。
そのために祈祷を行なったり、治水工事を進めたりしているわけです。
ざっくりと言うとですけどね。
日に対して月、昼に対して夜、晴れに対して雨などなど、自然はいつも対(陰陽)になっているわけです。
自然ってことは、僕たち人間も同じです。
人間も自然の一部ですからね。
人間にも陰陽の考え方は存在します。
陰陽の考えとしては、男(陽)に対して女(陰)としています。
家族にもこの考え方は当てはまるんですよ。
お父さんは陽(老陽)、お母さんは陰(老陰)、長男は陽(少陽)、長女は陰(少陰)。
男が陽で女が陰なんて、なんだか男尊女卑の考えですね。
って思われるかもしれませんが、最初にお伝えした通り陰陽はバランスが大事なんです。
どちらが良いわけでも、悪いわけでもないんです。
ずっと日照り(陽)ばかりじゃ、困りますよね。
逆にずっと雨(陰)でも困ります。
男(陽)ばかりでも、女(陰)ばかりでも困ります。
それでは子どもが産まれません。
陰陽はバランスが大事なんです。
陰陽は僕たち人間の状態も表すことができます。
元気な時は陽、風邪を引いている時は陰みたいな感じです。
前振りがかなり長かったんですけど、今日お話ししたい内容はここからです。
僕たち人間の状態も、陰陽のバランスがとても大事なんです。
元気なら良くない?風邪ひきたくないよって思いますよね。
どうしても陽の状態の方が良いって思います。
でも元気過ぎるとどうでしょう。
どこでも走り回る、ご飯を食べまくる、夜は興奮して眠れない。
そういえばそんな子いるな、って思いますよね。
陽が強過ぎても、ダメなんです。
もちろん陰が強すぎるのも良くないです。
ずっと病気、気持ちが塞いでいる、外に出られない。
これは陰の気が強過ぎます。
ではどんな状態が一番良いのか。
ニュートラルが一番良いんです。
元気すぎず、風邪もひき過ぎず。
そんな状態が、自然としてバランスが取れている状態と言えます。
何が起こっても気持ちを昂らせもしなければ、落ち込ませもしない。
何事にも動揺しない、変化しない状態が陰陽においては健康と言えるでしょう。
でもそんなのつまんない!
感動したいし、喜びたいし、毎日を楽しく生きていたい!
みなさんそう思うでしょう。
もちろんそれでも良いんです。
と言うか、僕もそうありたいって思っていますから。
でも基本は陰陽のバランスが大事なんだなって、覚えておけば良いんです。
楽しいことがあって心が昂ったら、落ち着く時間も必要なんです。
悲しいことがあって心が沈んだら、気持ちを上げることも必要なんです。
このバランスを欠いていると、体調を崩します。
自然の流れから逸脱しているってことですからね。
現に僕もこのことで、体調を崩してしまったことがあります。
具体的には、腎の調子が良くないと出ました。
これは医学的な診断ではないんですけど、現象として現れていたんです。
もちろん体感もありました。
そのバランスを整えると、一気に調子が良くなったんです。
不思議ですよね。
そんな不思議な、でもすごく合理的な施術は、今後僕も行なっていくことになるでしょう。
それはまたの機会に。
今日お伝えしたいことは、人間はバランスが大事だってこと。
ニュートラルな状態が基本ってこと。
そのことを知った上で、陰や陽を高めたりする。
これが人生を楽しく生きるための、秘訣だって言えます。