かつての僕は、かなりのくすぐったがりでした。
特に背中、太ももを触られるとくすぐったくて仕方がありません。
なので整体やマッサージを受けることが苦手で、セルフケアを学んだのもそのせいってのもあります。
しかしいつの間にか、身体に触れられてもほとんどくすぐったくなくなりました。
我がことながらすっかり忘れているほど、いつの間にか無くなっていたんです。
気にも留めていなかったんですが、最近勉強を進めていてなるほどなと感じました。
異常にくすぐったがっていた当時の僕は、病んでいたんだなって。
東洋医学の身体の見方で、虚実というものがあります。
簡単に言えば、虚が足りない、実が多すぎるといった感じです。
例えばやりたくない仕事が山積していて、帰りたくても帰れない状況。
ストレス過多の状況下では、エネルギーが虚している状況と言えます。
逆にスイーツビュッフェで大好きな甘いものをお腹いっぱい食べて友達とおしゃべりしている。
心が満たされるどころか溢れている状況では、エネルギーが実している状況と言えます。
どちらも良いとは言えないんです。
実している方が一見良いようにも見えますが、帰ったらきっと胃がもたれてしまい、翌日は倦怠感に襲われるでしょう。
虚実のどちらも良いわけではなく、本来はニュートラルな状態が良いと言えます。
今回のお話、異常にくすぐったい状況は虚実で言うと実です。
エネルギーが強すぎる状況なんです。
エネルギーが強過ぎると言うことは、それだけエネルギー消費が激しいと言うこと。
例えて言うなら、家の電気を全てつけて、電化製品も全てフル稼働の状態です。
快適かもしれませんが、電気代は凄いことになりますね。
それと同じ状況が、実してくすぐったがりな身体です。
過緊張によるエネルギー過多。
科学的に言えば、交感神経優位になっている状況です。
常に緊張しっぱなしと言うことなので、要は疲れやすいってことですね。
身体の基礎エネルギー消費が大きいもんですから、痩せて太れないって方も多いです。
思えばくすぐったがりだった当時の僕は、異常に痩せていました。
エネルギーがどんどん発散されていたんですね。
東洋医学では、背中には背部兪穴と呼ばれる、所謂ツボがあります。
それぞれの臓腑に対応するツボで、ここに異常が起こると体調を崩します。
背中を触ってくすぐったい人は、背部兪穴に影響が出てきますね。
背部兪穴に悪い影響が出て、対応する臓腑にも悪い影響が出る。
背中がくすぐったいと言う方は、ちょっと気をつけたほうが良さそうです。
太ももにも、臓腑につながるツボがたくさんあります。
だから当時の僕は、相当身体を病んでいたと言うことができます。
エネルギーが強過ぎる、交感神経優位になっているこの状況。
施術で整える方法もありますが、大事なのは普段の生活です。
特に食事面が大事になってきます。
交感神経優位な方は、糖質過多の食生活が基本となっている方が多いです。
糖質を控えるだけで、かなり症状は改善していくと思います。
ちなみに子どもにはくすぐったがりな子が多いですが、この場合はあまり心配しなくても良さそうです。
成長するために、常にエネルギーがたくさんありますからね。
多すぎて困る場合には抜いてあげることも大事ですが、基本的には微笑ましい状態だと思って良いでしょう。
くすぐったがりな方は、身体が実している状況です。
できるだけニュートラルに持っていくことが大事ですね。
逆に身体が虚している方は、マッサージ等を気持ちいいと感じます。
毎週のマッサージが何よりの楽しみ、なんて言っている方は身体が虚している可能性があります。
虚している場合は、エネルギー不足です。
しっかり栄養を摂って、食事をきちんと摂ることが必要ですね。
一見何の気ないことでも、よくよく見ると異常のサインだったりします。
気づけるところはちゃんと気づき、身体が求めていることをやっていってあげたいですよね。