肩の痛み、肩こりは、腰痛と並ぶ日本人が訴える身体の痛み堂々のNo,1です。
みなさん一度は経験し、ネットで治し方や対処方法を検索したことがあるんじゃないでしょうか。
検索した際に思いませんでしたか。
情報多すぎ!
ネット検索を行うと、何万、何十万と肩こりに関する情報が表示されます。
一体どれが正しくて、どれが本当に効くのか。
選び出すのは至難の技ですね。
私の記事でも、肩こりは何度か取り上げて参りました。
しかし全ての方に、紹介した方法が必ずしも効くとは限りません。
肩こりの原因は、人によって違うからです。
原因が違うものですから、当然対処方法も変わってきます。
しかもその原因は、本当に複雑でたくさんあります。
だから効く効かないがあるんですね。
だから大量の情報が行き交っているんですね。
肩の骨がどのように胴体にくっついているのか、見たことはありますか。
肩、腕と胴体をつないでいる骨の先端は、球のように丸くなっています。
これを球関節(キュウカンセツ)と言います。
球のように丸くなっているもんですから、縦にも横にもかなり自由に動くことができます。
同じ関節でも、肘の動きに対して、肩の動きの自由度ってかなり高いですよね。
この球関節によって、我々は腕を自由に動かして様々な活動ができるんです。
股関節も同じように球関節の構造をしています。
肩と同様に、足の動きの自由度を高めるためです。
同じ球関節で胴体と繋がる腕と足ですが、決定的に違う点があります。
それは、丸くなっている部分が収まっているのかいないのかです。
収まっているのは、足の方です。
見てわかるように、骨盤の窪みにすっぽりと足の球関節は収まっています。
対して腕の方は、ほとんど浮いたようになっています。
一見不安定なように見えますが、このおかげで腕は足(股関節)よりもっと自由に動かすことができるんです。
腕は簡単に下から上に、さらには後ろに回すことができますよね。
足も確かによく動きますが、腕ほどではありません。
不安定な構造ゆえに、腕は足よりも自由に動かすことができるんです。
そんな腕をしっかりと胴体と繋いでいるのが、筋肉や靭帯です。
様々な筋肉や靭帯などが複雑に絡みついて肩を固定、さらに自由に動かします。
太さは足に負けますが、その複雑さは足以上です。
しかし複雑な構造って、どこか一つ調子が悪くなると途端に不調になるって思いませんか。
パソコンなんかでも、一つ端子が抜けているだけで起動しなくなったりします。
パソコンと違って、身体には不調になった箇所を別の箇所が補うというシステムがあります。
しかしそれがどんどん重なると、治すことはなかなか難しくなります。
これが肩こりが無くならない理由なんじゃないかと、私は考えます。
そんな肩こりを、まずは筋肉という点から見てみましょう。
例えば腕を前からまっすぐ水平まで持ち上げていく動作の途中で、肩が痛くなる症状があったとします。
この動きを解剖学では、肩の屈曲と言います。
肩の屈曲の際に用いられる筋肉は、肩の前についている三角筋(前頭)、胸の大胸筋、肩甲骨の鳥口突起という突起と上腕骨をつなぐ烏口腕筋。
それらのサポートを行う協力筋として、力こぶで有名な上腕二頭筋があります。
ただ腕をまっすぐ上げるだけなのに、これだけの筋肉が使われているんですよ。
横から上げるとき、後ろに回すとき、横に回すときなどなど、他にも様々な動きを腕(肩)は行います。
肩の動きは、とても多くの筋肉が働いているんですね。
解剖学的な肩の動きだけで8パターン、上肢(腕)の動きは13パターン。
それらが複雑に絡むとどれだけのパターンがあり、どれだけの筋肉が働いているのか分かりません。
そんな中で、どこかの筋肉が硬くなって動きが悪くなると起こる症状。
それが肩こりです。
もはや気軽に、肩こりですって言えないほどその症状は複雑なんですよね。
筋肉だけでこれです。
ここに神経や脈管、骨や関節などが絡んでくると、一体どれほどの原因を検証していかなくてはならないのか。
さらにそれらに問題を起こさせている原因は何なのか。
いやぁ・・・気が遠くなりますね。
肩こりに限らずですが、身体の痛みって本当に複雑です。
原因を見つけ、きちんと対処していくのは本当に難しい。
それを行うのは、私の仕事です。
それじゃお伝えしているセルフケア方法は役立たず?
って思われるかもしれませんが、そうではありません。
まずはその痛みを、その場で楽にするって大事ですよね。
私のお伝えしているセルフケア方法は、かなり優秀であると自負しています。
そこはぜひお役立てください。
肩こりはとても複雑で難しいです。
きちんと解消していくためにしっかりと施術を受け、私生活を整えていかなくてはいけませんね。